次世代の消石灰技術で、防疫対策に革命を
高病原性鳥インフルエンザをはじめとする感染症への対策強化が求められる中、現場では防疫作業の負担やコストが大きな課題となっています。
当社では、畜産向け防疫対策事業として、“持続的効果”と“作業省力化”を両立した新たな消石灰技術「ACTech(アクテック)」の販売を開始しました。


「ACTech」の特長
特許取得済みの新技術
「ACTech」は近年応用が進む亜塩素酸をベースに、新開発された殺菌技術の総称です。独自の技術によって高い効果と持続性、安全性を実現させた、革新的な商材です。
抗菌・抗ウイルス効果が長く持続
従来の消石灰に、「ACTech」を加えることで、抗菌・抗ウイルス作用を強化しました。
降雨による pH の低下にも左右されにくく、乾燥状態でも効果を維持します。従来の消石灰は、風雨により 10 日間程度で効果が減少しますが、強アルカリに依存しない殺菌力を有する「ACTech」を使用することで、効果が 1.5 ヶ月〜2 ヶ月間持続します。
実際に農場で実施した試験では、1.5ヶ月後も高病原性鳥インフルエンザウイルス(HPAIV)を 99.9%以上不活化できることを確認しています。
乳液としての散布が可能
不溶性である消石灰に界面活性剤などの乳化を促進する添加剤を加えることにより、乳液としての散布が可能になりました。粉塵の舞い上がりや飛散を抑えられ、地面への定着性が向上しました。
◼ 特性――「ACTech」(乳液散布)と消石灰(粉末散布)の比較
消石灰 粉末散布 | ACTech消石灰 乳液散布 | ||
---|---|---|---|
薬剤 | 効果条件 |
△
高いpHと一定の水分が必要 |
○
菌などへ接触すれば条件を問わない。
|
乾燥条件 |
✕
効果がpHに依存するため、乾燥した塵埃に混ざった菌と接触しても、粉末のままでは効果がない。 |
○
乾燥した状態で菌と接触しても、一定の効果が得られる。 |
|
殺菌効果 |
△
幅広く有効だが、一部に効果がない |
○
芽胞を含む菌・ウイルスに有効 |
|
作業環境 | 雨の影響 |
△
雨の影響が大きく、雨が降ると短期間でpHが低下し効果が減少する。 |
○
雨を受けても、効果の低下は限定的 |
風の影響 |
△
粉末散布は、風の影響を受けやすく、すぐに飛散してしまう。 |
○
乳液で散布する場合は、ほとんど影響を受けない。 |
|
散布頻度 |
✕
風や雨の影響により、最低でも1週間~1ヶ月に1回は散布が必要 |
○
環境の影響を受けにくいので、消石灰に比べるとおよそ散布回数は半分以下 |
|
作業性 |
△
粉末の散布は比較的容易だが、乳液の散布は沈殿しやすく困難な場合がある |
○
専用の散布セットを用意しており、100㎡程度の面積でも5分ほどで散布可能 |
|
効果 |
△
有機物の多い環境や水分が低い環境では、効果が得られるまで時間がかかる |
○
細菌・ウイルスに対して、消石灰より短時間で高い効果 |
|
年間コスト |
△
薬剤単価自体は安いが、散布頻度に大きく左右される。 |
○
製品単価は消石灰より高いが、作業頻度や使用量が少ないため、年間コストは大幅に削減可能 |
「ACTech」導入のメリット
防疫作業をもっと確実に、もっとラクに、もっと経済的に――。その実現を「「ACTech」が後押します。簡単に使えて長く効き、しかもコスト削減にも貢献し、現場の課題に応えます。
作業時間が短縮される
乳液状にして散布するため、短時間で均一に散布可能です。地面への高い定着性により、年間散布回数が最大で 50%削減され、作業時間の大幅な削減が実現できます。
作業者の身体的負担を軽減し、近隣からの苦情にも配慮します。大型農場や繰り返しの散布が必要な現場にも最適です。
年間コストを削減
乳液散布により 200 ㎡以上の範囲を 10 分程度で散布でき、粉末散布と比べて消石灰の使用量を最大 80%削減できます。
結果として、薬剤コストや人件費も抑えることができます。
◼ 散布レポート――「ACTech」(乳液散布)と消石灰(粉末散布)の比較
2024 年、鶏肉加工会社(熊本県)での事例
消石灰 | ACTech消石灰 | |
---|---|---|
今回の散布面積 | 約90㎡(写真_黄色箇所) |
約90㎡(写真_黄色箇所) |
散布方法 | 粉末 |
乳液(20%) |
散布時間 | ー |
約3分 |
準備時間 | ー |
約5~7分 |
散布量 | ー |
約100L |
散布期間 | 防疫レベルの高い時期:約5ヶ月 |
防疫レベルの高い時期:約5ヶ月 |
散布頻度 | 4回/月(毎週散布) |
推奨:1回~2回/月 |
薬剤使用量/回 | 約45~90kg/回
|
約20kg(乳液100kg/回) |
期間中総薬剤使用量 | 約900~1800kg |
約100kg~200kg |
薬剤単価(仮) | 消石灰:約50円/kg |
ACTech消石灰:200円/kg |
コスト試算 | 45,000~90,000円/散布期間 |
20,000~40,000円/散布期間 |
作業イメージ
散布機セットで簡単に乳液散布が可能!
- 粉末に水を加えて撹拌するだけで乳液がつくれるシンプルな構造
- 散布作業に便利な専用機材(タンク・ポンプ・ノズル等)が同梱された各種プランをご用意
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Step 1:粉末/水添加
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Step 2:かく拌
-
Step 3:散布
実演散布の動画をご覧いただけます
ACTech 商品についてよくあるお問い合わせ
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Q. ACTech 消石灰は消石灰と何が違いますか?
A.ACTech 消石灰は、成分としてはほとんど消石灰と同じです。ACTech という新しい殺菌成分が混合されている消石灰なので、消石灰と同じようにお使いいただけます。
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Q. ACTech 消石灰とACTech 畜産用は何が違いますか?
A.ACTech 消石灰は、すでに消石灰と ACTech が最適な配合率で均一に混合されていますので、そのまま粉末で散布することも乳液状にして散布することもできます。
一方、ACTech 畜産用は、使用する際に消石灰と混合してから使用します。20kg の消石灰に対して1袋の ACTech 畜産用を混ぜれば最適な混合率になるように調整しています。
消石灰の在庫がある場合は畜産用が便利です。 -
Q. ACTech 消石灰は安全ですか?
A.ACTech 自体は食品添加物で構成されており、生分解性も高く安全性は高いですが、乳液にした時は消石灰が成分のほとんどを占めていますので、pH が 12.5<になります。そのため、作業時はゴーグルや手袋を着用してください。
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Q. ACTech 消石灰は効果がどれくらい保ちますか?
A.北海道大学の迫田教授に依頼した鳥インフルエンザウイルスの不活化効果試験では、実際の農場に設置したサンプルを用いて、50日以上経過しても、99.9%以上の不活化効果を確認しています。この時は52日間で、14日雨が降り総降雨量は208.5mmでした。
-
Q. 未使用で ACTech 消石灰の保存はどのくらい可能ですか?
A.未使用未開封で屋内保管の場合、製造より2年間使用可能です。
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Q. 細菌に対しても効果がありますか?
A.黄色ブドウ球菌・大腸菌など一般的な細菌に対して有効であることを確認しています。エンベロープのないタイプのウイルスに対する有効性はまだ確認できていません。今後実施する予定です。
-
Q. 鳥インフルエンザウイルスに対して効果がありますか?
A.本製品の試験は北海道大学の迫田教授に依頼して実施しました。試験には鳥インフルエンザウイルスを使用しており、高いウイルス不活化効果を確認しています。
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Q. 消臭効果はありますか?
A.ACTech 消石灰として消臭効果の試験はしていませんが、ACTech 自体は消臭効果があります。
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Q. 乳液にして撒いたことがありませんが、どうやったらいいですか?
A.乳液にして散布する作業に必要な機材がすべてセットになったプランを用意していますので、誰でも簡単に作業可能です。また、デモ作業の依頼も受け付けています。
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Q. なぜ乳液にして撒いた方が良いのですか?
A.消石灰を粉末にして撒いた場合、風の影響で飛散しやすく、すぐに地面が露出してしまいます。
また、消石灰自体は水と混ざることではじめて高アルカリ性になりますので、乾燥したままでは効果がありません。
また、粉末で散布する場合は、平方メートルあたり 500g〜1kg を撒かなければなりませんが、乳液にして散布する場合は、乳液濃度は 10〜30%に調整し、平方メートルあたり 1kg散布することになります。そうすると、乾燥後の平方メートルあたりの散布量が少なくなり、コストも抑えられます。農場に設置したサンプルの形状変化。乳液散布サンプルは雨・風の影響をほとんど受けていない。
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Q. ACTech 消石灰の乳液で散布する濃度と散布量は?
A.ACTech 消石灰は 20%の濃度で、平方メートルあたり 1.25kg 散布するように調整しています。この時、乾燥後の平方メートルあたりの散布量は 250g となり、粉末散布時と比べて 1/4から 1/2 の使用量に抑えることができます。
-
Q. ACTech 消石灰の乳液を畜舎内でも使えますか?
A.家禽が ACTech 消石灰を食べたりした場合の安全性がまだ確認できていないため、畜舎内の特に家禽がいる場所での使用は推奨していませんが、通路や壁などで使用することはまったく問題ありません。
畜舎入り口周辺に使用すると防疫面で特に有効だと考えられます。 -
Q. 万が一、鳥インフルエンザが発生した時に ACTech 消石灰を使っていたことで、補償が減りませんか?
A.都道府県の畜産課に確認しましたが、飼養衛生管理基準を全体として遵守していることが重要であり、判断の基準なのであって、一つの製品の使用の有無だけで判断することはないとのことでした。
ACTech 消石灰は、そのほとんどが消石灰で占められており、規格としては1号消石灰に相当しますので、消石灰と同様の使い方で使用していて補償が受けられないとは考えられません。
また、例えば大阪府の場合、住宅地に近接していて消石灰を散布することでクレームが発生する場合もある時は、消石灰を散布せず代替の方法で防疫対策を実施している生産者もおられるそうです。 -
Q. デモ作業は可能ですか?
A.可能です。下記のフォームよりお申込みいただければ担当より折り返しご連絡します。
Q. 農場に合わせた詳しいコストの比較はできますか?
A.可能です。現在の消石灰の散布方法、散布頻度、敷地面積の大きさなどを教えていただければ ACTech 消石灰に変更することで、どれだけコストを削減できるかの詳しいレポートを作成いたします。詳細は下記のフォームよりご連絡ください。
Q. 導入前に実際の農場で効果試験を行うことはできますか?
A.可能です。北海道大学で依頼した際もテストサンプルを農場の屋外に設置して行いましたので、ACTech 消石灰と消石灰を塗布したサンプルを農場に設置して、一定の期間放置し、その後殺菌効果の有無を比較検証していただけます。 詳しい方法は以下のフォームからお問い合わせください。
Q. どうやったら購入できますか?
A.ACTech 消石灰および ACTech 畜産用を扱っている販売店をご紹介しますので、一度お問い合わせください。
資料ダウンロード
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